HSPさんの特徴の一つとして、「よく寝る」という特徴が挙げられます。
HSPではない方の場合には、5時間~6時間程度の睡眠ですっきりと目覚めることができたり、ある程度気持ちよくその日1日を過ごすことができますよね。
しかしHSPさんの場合、5時間~6時間同じように眠っただけでは足りず、「まだ眠い…」と感じるのではありませんか?
それよりも多く眠れる7時間でも、足りないと感じることもあるかもしれません。
「寝すぎじゃない?」
「睡眠の質が悪いんだよ」
「寝てばっかり居るよね~」
というように周りから言われることで、自分を責めてしまうことも…。
しかし安心してください。
HSPさんがよく寝るのは悪いことではありませんし、あなただけがよく寝るわけじゃないんです。
今回は、HSPさんがどうしてよく寝るのか、その理由や上手に睡眠をとるための方法・工夫についてまとめました。
1.HSPさんはよく寝るって本当?睡眠時間はどのくらい?
HSPさんがよく寝るというのは、本当なのでしょうか。
2015年のデータですが、日本人の平日の平均睡眠時間は、6.7時間ということが分かっています。
(参考:「日本人の生活時間2015」NHK出版)
「6.7時間なんて全く寝た気がしない!」
「そんな時間じゃ体が回復しないよ!」
という感覚になるのが、HSPさん。
では、HSPさんは大体どのくらい寝ているのか、また、どのくらいの睡眠時間で足りないと感じるのか、私の体験やネット上の声から調べてみました。
HSPさんはどのくらい睡眠時間をとっているの?
HSPさんがどのくらいの睡眠時間をとっているのか、ネット上の声を集めてみました。
あなたの睡眠時間と同じくらいの人はいますか?
9時間寝ていました
毎日8時間睡眠
7~8時間寝ないと寝た気がしない
最低でも7時間は眠れるように…
1日に10時間は寝てしまう…
三度寝をしてもまだ眠い…
大体8時間以上という方が多いことが分かります。
先ほど挙げた日本人の平日の平均睡眠時間よりも、2時間~3時間ほど多く寝ている方が多いんですよ。
いわゆるロングスリーパーの方も多い
9時間以上の睡眠時間を必要とする方のことを、ロングスリーパーと言います。
HSPさんはロングスリーパーの方も多いですよね。
HSPさんの中のどのくらいの割合の方がロングスリーパーなのか、という点については、正確なデータがないためなんとも言えません。
ただ、SNS上にこのように睡眠時間が長い、よく寝ると感じているHSPさんが一定数いる以上は、ロングスリーパーの方もある程度はいらっしゃるということです。
私の場合、大体6時間~7時間の睡眠では足りません。
大体0時に寝て7時には起きているのですが、日中眠くて仕方ないんです。
目覚ましで無理やり起きて、顔を洗って歯磨きをしてご飯を食べて…
体にむちをうって働こうとしても、気づいたらうとうとしていて、パソコンに「みんな違ってみんないいね」という謎の文章を打ち込んでいたことがありました。
結局私も8時間以上眠れないと、体調も頭もすぐれないんです。
よく寝るのは悪い事じゃない
規則正しくきちんとした生活を送ろうと思うと、「あまり長時間寝ていてはダメだ!」と感じますよね。
たくさん寝ることで、「私はだらけている」「どうしようもない奴だ」と思ってしまったり、二度寝をしたり9時間睡眠をとってしまった日には「こんなに寝てしまった…」と自分を責めてしまうこともあると思います。
しかし、よく寝るのは悪いことではありません。
むしろ、HSPさんにとっては、睡眠時間の確保はとっても大切なんです。
HSP提唱者のアーロン博士の著書「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。」でも、”HSPの人たちは、実際に眠らなくても、とにかく9時間は目を閉じてベッドに横たわっていようと努めるだけで、ずいぶん楽になるものだ。”と書かれています。
しっかり時間をかけて眠ったり休んだりすることが、HSPさんの体調や心を整えるためには必要不可欠なのです。
そのため、短い時間だけ寝るように自分を矯正していくことはあまりおすすめできません。
無理して短い時間の睡眠に切り替えるのではなく、自分に適した睡眠時間を確保できるように生活を調整したり、しっかり眠れる工夫をするほうが大切です。
2.HSPさんがよく寝る3つの理由
では、どうして睡眠時間が人よりも必要になってくるのか、その理由を3つまとめました。
①毎日たくさんの情報を取り入れているから
②日々一人で色々なことを考えているから
③特に刺激が多い日にはエネルギー回復が必要だから
①毎日たくさんの情報を取り入れているから
HSPさんは、毎日たくさんの情報を取り入れています。
HSPではない人たちが気づかないような細かいところまで見えてしまい、それに対しても色々と思考を巡らせてしまうことから、日々頭に入ってくる情報量がとてつもないんです。
一つのことを目にした時、その周りの状況まで気を配り、考えなくてもいいところまで考えてしまいませんか?
「あれはこうだったから、こっちのほうがいいかも?」など、あなたに直接関係のないことまで、たくさんの情報を思い出して頭を働かせてしまうことがあると思います。
そのため、HSPではない人に比べて、しっかり頭を休めてあげるだけの時間が必要になります。
たくさん情報を取り入れすぎると頭も疲れてしまうため、その頭を休ませてあげるために、たくさんの睡眠時間が必要になるんですね。
②日々一人で色々なことを考えているから
HSPさんは、日々一人で色々なことを考えていますよね。
職場で誰かが怒られていた時も、「私への見せしめ?」と感じたり、「なんでこんなこともできないんだ」という誰かの声に反応し、「今私のこと言ったのかな?」というように気になって仕方ありません。
一人になった時や寝る前なんかも、「あの時こういったのはダメだったかな?」「ちょっといつもと反応違ったけど、嫌われちゃったのかな?」など、その日にあった出来事をひたすら思い返して、色々と考え込んでしまうんですよね。
これも当然、たくさん頭を使うこと。
周りに少し悲しそうにしている人や、けだるそうにしている人がいるだけでも同じような気持ちになってしまうため、頭だけではなく心もとても疲れやすいんです。
そんな頭と体を休めてあげるために、睡眠時間がたくさん必要になるんですね。
③特に刺激が多い日にはエネルギー回復が必要だから
そして、特に刺激が多い日には、あなたのエネルギーを回復させてあげるために、睡眠をたくさんとることも必要になってきます。
例えば、
- いつもより賑やかな場所で仕事をした
- 人がたくさんいる場所に出かけた
- 大きな音が鳴る場所に行った
- 騒々しいところでご飯を食べた…
- 大きな声を出す人がいた
- ものすごく明るい場所に長時間いた
- 苦手な匂いの部屋で過ごした
- 満員電車に乗った
など、このような刺激がたくさんあった日は、特に睡眠時間が必要です。
刺激を受けている間は、HSPさんが睡眠をとってため込んだエネルギーがどんどん放出されてしまいます。
そのエネルギーが空っぽになった状態で何か行動したり集中したりしようとしても、当然難しいわけです。
エネルギーをある程度回復させてあげなくてはならないので、人一倍睡眠時間が必要になるんですね。
3.HSPさんがしっかり休むことができるための5つの工夫
では、HSPさんがしっかり休むためにはどうすればいいのでしょうか。
私が実際に行っている工夫をはじめ、こういった工夫があれば睡眠のクオリティがあがって寝起きもスッキリする!という方法を5つご紹介します。
①耳栓をする
②光目覚まし時計を使う
③一言ノートを書く(日記でもOK)
④寝る前は趣味の時間にする
⑤できるだけ湯舟に浸かる
【工夫1】耳栓をする
まずはじめに、耳栓をして眠るという方法です。
アパートにお住まいの方の場合、上の階の方の足音や物音、隣の部屋の方の物音や話し声が気になって眠れなかったり、途中で起こされたりする場合がありますよね。
私も上の階の小さな子どもの足音が気になって、明け方自分のタイミングではない時に目が覚めてしまったり、隣の部屋の方の目覚ましや話し声、シャッターを開ける音などで幾度となく目が覚めてしまうことがとても多くありました。
そのため、耳栓をつけることにしたんです。
おすすめの耳栓は「米軍耳栓」
耳栓にも色々ありますが、おすすめは「米軍耳栓」です。
Amazon(MOLDEX 耳せん 5ペア パックCAMO 米軍耳栓(モルデックス カモプラグ))
価格:380円
遮音性がとっても高いので、正しくつけることができれば音がほぼ聞こえなくなります。
HSPの方だけではなく、睡眠の質が低いと感じている方にもおすすめですよ!
5ペア入っていて380円で購入できます。
半年ほど使っていますが、まだ弾力もありますし、十分に遮音性があります。
ブーンという車の音や、ドン!という何かがぶつかる音や、ガタン!という音をはじめ、鳥の声などの高めの音も聞こえないので、しっかり睡眠をとることができます。
【工夫2】光目覚まし時計を使う
2つ目の工夫として、光目覚まし時計を使用するというのもおすすめできます。
一般的なスマホの目覚ましアラームなどは、音が大きすぎて刺激が強いですよね。
びっくりして飛び起きるということも多々あります。
だからといって置くタイプで音が鳴る目覚まし時計も、スマホとは本体が違うだけで、静かに寝ている時にはびっくりしてしまいます。
そこで、一つ目の工夫でご紹介した耳栓とも相性がいいのが、「光目覚まし時計」です。
大きな音が鳴らず、少しずつ太陽の光が昇る感じで明るくしてくれるので、刺激に弱いHSPさんも神経をとがらせることなく、自然に目を覚ますことができるんです。
大人しい小鳥のさえずりの音がある光目覚まし時計もありますので、耳栓が苦手な方にもピッタリ。
朝一番に余計な刺激を受ける必要がなくなるので、寝起きもスッキリしますよ。
【工夫3】一言ノートを書く(日記でもOK)
そして3つ目は、一言ノートを書くという方法です。
これは日記でも構いませんし、スマホのアプリを使うのもOKです。
その日にあった出来事や、考えたこと、もやもやしていることを日記に書き出すことで、自分の気持ちを落ち着かせることができます。
書く内容は自由ですが、
- 今日あった嬉しいこと
- 今日あった悲しいこと
- 明日の目標
- メモ程度のつぶやき
などを1日1つ、2分くらいでまとめていくだけでも、気持ちの落ち着きが全く違います。
おすすめのスマホ日記アプリは「瞬間日記」
私は、日記という形で手書きにするのが苦手なので、手軽に使えるスマホアプリを利用しています。
日記アプリはたくさんありますが、おすすめは「瞬間日記」というアプリ。
Android・iOSどちらにも対応しています。
画像・動画・音声ファイルの添付が可能で、ワンタップですぐに日記をかくことができます。
その日に感じたことや、思ったことをまとめることで、気持ちが落ち着きやすいんです。
HSP提唱者であるアーロン博士も、HSPの気持ちを落ちつかせる方法として日記を挙げていますよ。
今日のことが気になってなかなか眠れないという方も、一度日記をつけてみてくださいね。
【工夫4】寝る前は趣味の時間にする
寝る前の時間、どのように使っていますか?
今日の反省会のような形で寝る前に色々と考えてしまう気持ち、とてもよくわかります。
「あの時はもっと違う言い方をすべきだったな…」「今日のAさんはいつもより元気なかったから、もっと違う接し方をすべきだったかな…」
などと、いろいろなことを考えてしまいますよね。
私の場合、そういった考え事をするたびに、他の人はどうしているのかな?と気になっていろいろな検索をしたりもします。
しかし、そういったことは先ほど3つ目にご紹介した日記にまとめるようにして、寝る前は趣味の時間に使ってみてください。
私の場合には、絵を書いたりピアノを弾いたり、漫画を読んだり、好きなアプリで遊んだりして過ごします。
何かに夢中になっている間は、自分ひとりの反省会が始まることがないので、おすすめですよ!
また、気が置ける人と一緒に暮らしている場合には、その人との時間を大切にするのもおすすめです。
寝る前のSNSやアプリにも要注意!
寝る前は、SNSやアプリに時間を使うのはあまりおすすめできません。
SNSはコメントや流れてくる情報に気持ちが左右されやすいため、寝る前は控えるようにしてくださいね。
また、アプリでも癒される感じのものならいいのですが、ニュースアプリやアドレナリンが出やすいバトル系の漫画などはあまりおすすめできません。
気持ちが高ぶってしまい、刺激を受けて眠りづらくなってしまいます。
疲れがしっかり取れずに、いつまでも眠い状態が続いてしまうので、注意しましょう。
【工夫5】できるだけ湯舟に浸かる
入浴も、パパっと済ませたいからといってシャワーだけにしがちですが、できるだけ湯舟に浸かることをおすすめします。
特に、寝る1時間~2時間前に40度くらいの湯舟に浸かって体を温めると、スーッと気持ちよく入眠することができます。
その理由は、体の奥深くまで温めることができるから。
人の体は、体内の深い部分の温度が下がることで、眠気が自然に出るようになっているんです。
体の奥まで温めるには、シャワーでは不十分。
湯舟につかれば、じっくり体を奥まで温めてあげることができますよ!
たくさん睡眠時間が必要なのになかなか寝付けない!という場合にも、お風呂からあがって趣味の時間を過ごしているうちに自然に眠くなってくるようになるので、ぜひ湯舟に浸かる習慣をつけてみてくださいね。
4.まとめ
今回は、”HSPさんはよく寝る”という話について、それは本当なのか、そしてHSPさんはどのくらいの睡眠時間をとっているのか、どうしてよく寝るのか、よりしっかり休むためにはどうすればいいのか、ということについてご説明しました。
まとめると、
- HSPさんがよく寝るのは本当
- 大体8時間以上の睡眠時間が必要
- でもそれは悪い事じゃない
- HSP提唱者のアーロン博士も9時間ほどの睡眠を推奨している
- HSPさんは刺激や考え事が多いため、人より多くの睡眠時間が必要
- しっかり休むために工夫できることがたくさんある
ということです。
普段たくさんのことを考え、たくさんの刺激を受けているHSPさん。
睡眠時間を短くするのではなく、しっかり休むことができるようにするために、日ごろから簡単にできる工夫を実践していくことをおすすめします。
HSPだからといってマイナスな考え方ばかりになるのではなく、どうすれば上手に自分をコントロールできるのか、その方法も見つけていきたいですね。