HSPとは?あなたが生きづらい理由が明らかに

「他の人ができることができず、自分はダメだと感じる」
「人と接することでどっと疲れる」
「すぐに行動できない、考えて言葉にするまでに時間がかかる」
「一度にたくさんのことを頼まれるとイライラする・混乱する・嫌だ」
「美術や音楽などに、深く心を動かされる」
「仕事の時、せかされたり時間が決まっていたり、監視されたりすると力を発揮できない」

生きづらいなと感じているあなた、このような事に心当たりはありませんか

他人の気分に左右されてしまったり、他の人の気持ちが分かりすぎてしまったり、あまり人を責めることができなかったり…。

そんなあなたは、「HSP」かもしれません。

HSPとは

HSPは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略称です。

簡単に言えば、生まれつきとても繊細な人のことを指し、外からの刺激にとても敏感かつ、弱いという特徴があります。

刺激に対して、自分にとって危険かどうかを判断する働きが生まれつき強く、神経回路・脳の働きも少し違い、脳にあるストレスを処理してくれる「偏桃体」の働きが活発なんです。

人の言動・感情・雰囲気などを、無意識のうちに敏感に感じ取ってしまうために、ストレスをため込みやすく疲れやすくなるんですね。

HPSの人に共通する4つの特徴

HSPの概念を提唱したアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士によれば、HSPの人には共通する4つの特徴があるとされています。

共通する4つの特徴

①考えるのに時間がかかる(深く考えてしまう)
②刺激を受けすぎてしまう(刺激にとても敏感)
③感情が豊かで共感しやすい(強く共感する)
④些細なことにも敏感(五感が鋭い)

少し訳し方に違いがありますが、これが共通する特徴です。

これらの特徴は後天的なものではなく生まれ持った気質に関する問題であるため、意識を変えても、本質を変えることが難しいんです。

HPSは先天的なものなので変えにくい

HSPの人に対して、「それは気の持ちよう」「甘えでしょ?」「思い込みだよ」「打たれ弱いね」「心が弱い」「うつ病?」など…。

そういった言葉がかけられることは珍しくありません。

あなたが本気で辛いと感じているのに、甘えだとか思い込みだとか、打たれ弱いなんて言われたら余計に辛いですよね。

しかし、そもそもHSPの人は刺激に対しての反応が異なるため、HSPでない人にとっては理解に苦しむわけです

「ただ心が弱いだけでしょ?」「気の持ちようでなんとかなるよ」という言葉は、HSPではないからこそ言えること。

性格がそうなのであれば、後天的なものなのでいくらでも変えられます。

ただ、HSPは性格ではなく生まれ持った気質。

最近そうなったわけではなくて、昔っからそうだったんです。

先天的なものなので、このHSP気質を変えるということは相当難しいんですよ。

HSPセルフチェック!あなたは何個当てはまる?

HSPについて少し理解できたところで、あなたのHSPセルフチェックを用意しました!

項目は全部で23個。

マドレクリニック(http://www.madreclinic.jp/pm-top/pm-symptom/pm-symptom-22/)の公式サイトにある「HSPセルフチェック」を引用しています。

質問は23個あり、12個以上該当した場合には、HSPの気質がある可能性が高いです。

当てはまる数が多ければ多いほど、HSPの度合も強いと言えます。

「生きづらい」と感じているあなた、「社交的なのに、なぜかすごく疲れやすい」というあなた、一度チェックしてみてくださいね。

1. 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
2. 他人の気分に左右される
3. 痛みにとても敏感である
4. 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
5. カフェインに敏感に反応する
6. 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
7. 豊かな想像力を持ち、空想に耽(ふけ)りやすい
8. 騒音に悩まされやすい
9. 美術や音楽に深く心動かされる
10. とても良心的である
11. すぐにびっくりする(仰天する)
12. 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
13. 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく
(たとえば電灯の明るさを調節する、席を替えるなど)
14. 一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
15. ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
16. 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
17. あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
18. 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
19. 生活に変化があると混乱する
20. デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
21. 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
22. 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
23. 子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」 とか 「内気だ」 と思っていた

さて、いかがでしたか?

先ほどもお伝えしましたが、12個以上当てはまる方はHSPの気質があり、さらに当てはまる数が多ければ多いほど、あなたのHSPの度合が強くなります。

HSP・HSS型HSPって?

HSPは、人間の5人に1人いるとされています。
そのHSPには、2つの種類があるとされているんです。

それがこちら。

HSPの2つの種類

①HSP
②HSS型HSP

①HSP

HSPの中でも一番該当する人が多いと言われているタイプです。

刺激に敏感でネガティブ思考であることが多く、何かと不安を抱えやすいという特徴があります。

ずっと誰かと同じ時間を過ごすのではなく、一人の時間を必要とします。

典型的なHSP気質で、変化にもとても弱く内向的です。

②HSS型HSP

HSPの中に、約30%程度存在しているタイプ。

HSP提唱者であるアーロン博士は、HSPの中でも、繊細さを持ちつつも新しいことに興味をもち、どちらかと言えば外向的と言えるタイプのHSPが存在していることも明らかにしており、それがHSS型HSPと呼ばれるタイプの人です。

気になることにはどんどん突っ込んで行ったりチャレンジしますが、その分とても疲れやすいんです

社交性があるため、HSPとは無縁と思われがちですが、HSPの人に共通する4つの特徴はしっかり兼ね備えています。

刺激を追い求めますが、傷つきやすく、そして退屈しやすいという一面があり、刺激を追い求めたにも関わらず、その刺激で疲れ切ってしまうんですね。

しかも、パッと見てHSPだと分かりにくいことから、HSPよりもさらに周りの人に理解されにくいという苦労もあります。

HSPと心配性・うつ病は何が違う?

HSPは、その特徴から、ただの心配性だと思われたり、うつ病などと間違われることも多々あります。

しかし、HSPは心配性・うつ病とは大きな違いがあるんです。

【違い1】先天的か後天的か

冒頭でも少し触れましたが、HSPは生まれもったもの(気質)であり、生きていく上で形成される性格のように、変えていくことができるものではありません。

心配性は性格の問題であって、後天的なものです。

うつ病も、生まれながらにうつ病なのではなく、後天的に起きるものですよね。

先天的な”気質”であるHSPは、変えようと意識をしても変えられなかったり、ただ単に心配しているのではなく、脳がそのように処理してしまうためどうしようもない話なのです。

【違い2】以前からそうかどうか

うつ病は後天的な原因で起きるものです。

「親しい誰かが亡くなった」「仕事がうまくいかない」「眠れない」「自分に自信がもてない」など、そういったことが原因でうつ病になってしまいますよね。

「以前は違ったのに、最近は落ち込むことが多くなった」というような場合、”以前は”という感じ方が存在する時点で、うつ病とHSPは違います。

HSPは先天的なものなので、”以前はこうだったのに”ではなく、以前からこうだったんです

つまり、「最近落ち込みやすいな」「最近自分がダメで弱い人間だと思える…」というような場合には、どちらかと言えば、HSPではなくうつ病に近いと言えます。

【違い3】自殺願望があるかないか

うつ病の場合は、自殺願望が出てくることが多くあります。

それに対し、HSPの方の場合には自殺願望はあまり出てきません。

なぜなら以前からそうだから。

人はこれまでと違う言動をしたり、自分に異常を感じた時に、死にたいと思うことがあります。

HSPの場合でももちろん死にたいと思う瞬間はありますが、うつ病の方のような自殺願望はないんですね。

ただ、HSPの方はうつ病にもなりやすいとされています。

自分を責めすぎてしまうためです。

もし眠れない状態が長く続くようになったり、憂鬱な気分になることが増えたという場合には、早めに心療内科や精神科などを受診してくださいね。

まとめ

今回は、最近よく耳にするようになってきた「HSPとは」についてご紹介しました。

HSPの方は、そうではない方とは脳の神経回路などに違いがあるため、理解されにくく、そして変えていくことがとても難しいです。

そして、これは病気ではなく”気質”

病気ではないということは、薬や治療法がないということです。

しかし、HSPだからといって、余計に自分を責めたりダメだと思う必要はありません。

HSPという事実を受け入れて、うまく付き合っていくためにいろいろな工夫をして生活している方々がおられます

HSPにはいいところもたくさんあります。

少しずつ、そういった良いところを理解していくことができるように、HSP気質について知識を深めていきたいですね。

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